発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002088977
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64歳女.右乳房腫瘤を主訴とした.診察時右乳房のECA領域に境界明瞭,表面平滑,弾性硬,可動域良好の3.2×3cmの腫瘤を触知し,マンモグラフィーで楕円形,境界明瞭,均一な腫瘤陰影を認めた.超音波所見は境界明瞭,楕円形,内部が均一な低エコーの腫瘤で,後方エコーの増強とlateral shadowが認められた.穿刺吸引細胞診では大小不同のリンパ球様細胞が多数みられ,これらの細胞には核の軽度不整と核小体の増大を認め,悪性リンパ腫が疑われた.全身のガリウムシンチグラフィーを行うと,右乳房腫瘤に一致してガリウムの異常集積が認められた.これらの所見から乳腺原発悪性リンパ腫を考えて胸筋温存乳房切除術を行い,切除標本の病理所見からB細胞型悪性リンパ腫と診断した.術後に化学療法と局所放射線療法を行い,現在経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2001