発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002002603
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79歳男.心窩部痛,食欲低下,上下肢の浮腫を主訴とした.血液所見では,軽度貧血,炎症反応,著明な低蛋白血症を認めた.上部消化管造影所見では,胃体上部に表面凹凸不整で巨大な陰影欠損像を認めた.胃内視鏡所見では,胃体上部前壁に易出血性で灰白色のカリフラワー状の1型腫瘍を認め,生検組織は低分化腺癌であった.蛋白漏出シンチグラフィー検査では,腫瘍からの持続的な蛋白漏出を認めた.以上より低蛋白血症を伴う1型胃癌と診断し,胃全摘術を施行した.術直後より人血清アルブミン投与を開始したところ,3日目から血清総蛋白量とアルブミン値の上昇を認め,両下肢の浮腫の著明な改善が得られた.病理組織学的所見では,充実性に増殖する低分化型腺癌が確認された
©Nankodo Co., Ltd., 2001