発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175555
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82歳女。右大腿内側部痛・重苦感を主訴とした。疼痛以外に明らかな知覚低下、下肢筋力低下、深部腱反射の異常はなく、間欠跛行や股・膝関節の異常所見も認めなかった。腰椎X線でL4・L5に関節症性変化が認められた。1ヵ月後には一時症状が改善したが、嘔気・腹痛のため内科を受診した。腹部X線像で鏡面像の形成を認め、イレウスが疑われた。CTでは右恥骨筋と外閉鎖筋の間に小腸が陥入しており、閉鎖孔ヘルニアの所見であった。陥入部位から口側の小腸には液体貯留を伴う拡張、浮腫を認め、閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスの診断で臨時手術となった。術後右下肢痛は軽快した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012