発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001189069
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84歳男.多発性骨髄腫に合併したS状結腸癌を経験した.全身倦怠感で受診した.骨髄穿刺所見と血液検査所見で多発性骨髄腫と診断され,経過観察中であった.入院時便潜血陽性で,腹部超音波検査で腸管の壁肥厚を認めた.大腸内視鏡検査所見で,肛門輪より25cmのS状結腸に管腔の全周を占める隆起性病変を認めた.生検結果はmoderately differentiated adenocarcinomaであった.S状結腸にapple adenocarcinomaを認めた.2型のS状結腸癌と診断し,手術を行った.病理組織所見は,中等度分化型腺癌で,円柱状癌細胞が不整な管腔構造を形成し,癌細胞は固有筋層深部まで浸潤していた.術後経過良好で,多発性骨髄腫に対する化学療法は,高齢であるため行わず,現在経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2001