発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001202735
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過去15年間に経験した大腿ヘルニア81例の臨床像を検討した結果,年齢は70歳以上の高齢者が59.3%を占め,性別では70例(86%)が女であった.発生部位は右側が64%を占め右側に好発する傾向がみられた.出産回数は3回以上が63.5%を占め,多産例に多くみられた.臨床症状は鼠径部の疼痛,腫脹が54例,鼠径部症状に加え腹部症状を伴ったものが15例,腹部症状のみが12例であった.又,イレウス症例は16例(19.8%)であった.術前診断は71例(87.8%)に可能で,非正診例は鼠径ヘルニア嵌頓が6例,イレウスが3例,汎発性腹膜炎が1例であった.治療術式は鼠径法を76例(93.8%),大腿法を2例(2.5%)に行い,後壁補強法にはMcVay法を77例(95.1%)に施行したが,現時点では再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001