発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239792
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59歳男性。49歳時に急性下壁梗塞に対して冠状動脈ステント留置術を施行後、CABGを行なった。今回、術後11年目になる59歳時に誘因なく呼吸苦が出現し、近医での心エコーにより心嚢内腫瘤による左室圧排を認め、心タンポナーデと診断され、紹介入院となった。胸部単純CTでは左室後壁側方に55×85mmの腫瘤を認め、内部は不均一で石灰化を伴うことから、陳旧性血腫と診断された。保存的に加療が行われたが。症状は改善せず、手術となった。左横隔膜神経前方で心膜を切開し、心嚢内左室側面から背側に貯留する赤色血栓を確認した。しかし、この切開からでは血栓除去が不十分なため、左横隔神経後方で切開を追加し、心膜を4×3cm切除し、左室背面から心尖部まで可及的に血栓を除去した。術後は脳梗塞後遺症のため離床に時間を要したが、第28病日に退院となった。
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