発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239791
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68歳男性。冠状動脈3枝病変に対してOPCAB5枝を施行したが、その際に上行大動脈の石灰化が広範囲であったため、SVG中枢吻合はPAS-Port systemを用いて行った。術後経過は良好であったが、術後半年頃より食欲不振を訴え、心エコーにて上行大動脈の解離と大動脈弁閉鎖不全II度を認め、緊急入院となった。CT所見ではDeBakey分類II度の大動脈解離を認め、上行動脈は最大径80mmと胸骨裏面に接する大きさであった。解離発症後急性または亜急性期と判断し、準緊急手術となった。術中所見では、PAS-Port system吻合部に一致した内膜破綻以外にintimal tearは認めず、同部位が大動脈解離の原因と考えられた。術後経過は概ね良好で、自宅退院後に維持透析施行中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016