臨床経験
一時的バイパスを併用した腕頭動脈瘤
山崎 真敬
1
,
蜂谷 貴
,
山城 理仁
,
花井 信
,
田口 真吾
,
小野口 勝久
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター 心臓血管外科
キーワード:
動脈瘤
,
腕頭動脈
,
MRA
,
人工血管移植
,
胸骨切開術
,
胸部CT
Keyword:
Aneurysm
,
Brachiocephalic Trunk
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Blood Vessel Prosthesis Implantation
,
Sternotomy
pp.813-816
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298154
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69歳女。腕頭動脈瘤にて紹介入院した。胸部単純X線では右第1弓上方の突出を認め、胸部X線造影CTでは右鎖骨下動脈および右総頸動脈分岐直前の腕頭動脈に、右背側に向かって突出する53mm大の動脈瘤が描出され、瘤径は2週間で5mm拡大していた。頭頸部MRA所見上、椎骨動脈は右側優位に両側とも描出され、右後大脳動脈は右後交通動脈を介して描出された。また、脳底動脈より左後大脳動脈は描出されたが、右後大脳動脈、左後交通動脈は描出されず、右椎骨動脈への循環補助が必要になる可能性が高いと判断した。手術は腕頭動脈から右総頸動脈と右鎖骨下動脈へY字型人工血管置換術を行い、術中は試験的動脈遮断により浅側頭動脈圧や左右の橈骨動脈圧、rSo2などを総合的に評価し、上行大動脈と右上腕動脈間に一時的バイパスを増設した。術後経過は良好で、胸部造影CTではいずれの血管も開存していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014