発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239790
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症例1(45歳男性)。下腿浮腫と腹部膨満感が出現、CTにて右房内まで進展する右腎細胞癌を指摘され紹介受診となり、心エコーでは右房内に径30×30mmの腫瘤を認め、造影CTでは下大静脈(IVC)から右房内に伸展する右腎細胞癌を認めた。症例2(67歳女性)。右橈骨遠位端骨折の術前エコーで右房内腫瘤を指摘され、肝細胞癌再発、右房内進展の診断で紹介受診となった。両症例とも手術にあたり、体外循環確立後に冷却を行い、心室細動後に大動脈を遮断し、順行性心筋保護法で心停止とした。直腸温や食道温はともに18℃以下で循環停止とし、間欠的灌流を行なった。IVC再建はウシ心膜パッチを用いて行なった。いずれも経過良好であったが、症例1は術後11ヵ月目に癌の再発により死亡となった。症例2は退院10ヵ月目に腫瘍の再発と肝不全のため死亡となった。
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