発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004192
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73歳男.左側胸部~背部痛に続き発熱を認め,近医に入院となり,胸膜炎・膿胸と診断され抗生剤投与を開始したが,胸部造影CTにて胸部大動脈瘤を認めたため紹介転院となった.入院時,胸腹部CTにて気管支分岐部レベルから3cm尾側の下行大動脈より約6cmの範囲で最大径52mmの仮性動脈瘤を認めた.感染性胸部大動脈瘤と診断し,原因菌の同定と感受性のある抗生剤の決定後に手術を予定して,原因菌不明の感染性心内膜炎の治療法を参考にRFP+AMK+VCMの投与を開始した.その後大量の喀血をきたし,緊急CTにて瘤径増大と肺への穿破を認めたため緊急手術施行となった.手術では肺門部外周に沿って左下葉を切離して瘤前壁に達し,左下葉とともに瘤を切除して0.5%RFPに30分間浸漬した人工血管を吻合後に有茎の大網を人工血管全周に被覆した.術後6ヵ月を経過し感染の再燃は認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2005