発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135910
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77歳男。労作時胸部違和感を主訴とした。狭心症の診断で紹介受診し、心電図所見でI度房室ブロックを認めた。冠状動脈造影検査所見では左前下行枝(LAD)は第1対角枝(D1)と第2中隔枝を分枝後にseg.7で閉塞し、D1 99%、鈍縁枝90%、右冠状動脈後下行枝75%の狭窄を認めた。冠状動脈3D-CT所見より、long LAD閉塞を伴うSpindola-Franco分類type Iの重複左前下行枝(dual LAD)と診断して心拍動下に冠状動脈バイパス術を行い、type Iのdual LADを確認した。直達エコーで上行大動脈に動脈硬化性病変を認めたため、long LADにのみバイパスを行い、術後の冠動脈CTではバイパスはすべて開存していた。術後2年経過現在、狭心症の再発はなく、心機能も良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2017