投稿論文 短報
三次元構築CT画像を参照した右中葉気管支へのブロッカー留置により、経皮的心肺補助装置の使用を回避しえた左肺低形成の1症例
杉本 創
1
,
中平 淳子
,
山本 和宏
,
井上 汐里
,
澤井 俊幸
,
南 敏明
1大阪医科大学 麻酔科学教室
キーワード:
気管支
,
塞栓術
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
三次元イメージング
,
肺低形成
,
分離肺換気
,
胸部CT
Keyword:
Embolization, Therapeutic
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Bronchi
,
One-Lung Ventilation
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.423-426
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228426
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症例は60歳男性で、右肺中葉(S4)の結節性病変(8mm)に対して右中葉部分切除術が予定された。ASA術前全身状態分類3で、呼吸機能は比較的維持されていたが、コンピュータ断層撮影(CT)では顕著な左肺低形成と縦隔の左方偏位を認め、経皮的心肺補助装置(PCPS)使用下での右開胸による中葉部分切除術を計画した。一方、術前CT画像を用いた三次元構築画像で中葉気管支までの気管・気管支内腔を確認したところ、吸入酸素濃度0.5を維持した状態での選択肺葉換気により酸素化維持が可能と予測されたため、PCPS待機の上で気管支ブロッカーによる中葉の肺虚脱を試みた。その結果、気管支鏡のシミュレーションが一助となって中葉の閉塞が得られ、PCPSを使用することなく中葉部分切除術を行うことができた。中葉気管支への気管支ブロッカー留置は一般的に困難であり、シミュレーションは有用と考えられた。
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