発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016152982
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当科で経胸骨柄アプローチ変法を用いて手術を行った10例のうち、血管浸潤を認めた6例について検討した。全例男性で、年齢は中央値56歳であった。原疾患は甲状腺癌2例、胸腺癌2例、肺癌1例、甲状腺癌の縦隔リンパ節転移1例であった。その結果、浸潤部位は右腕頭静脈-上大静脈が4例、右腕頭静脈が1例、無名静脈が1例であった。右腕頭静脈-上大静脈へ浸潤を認めた4例のうち、1例は直接縫合、3例で人工血管置換術を行った。人工血管は全例ePTFEを使用した。バイパスは全例で右心耳-左無名静脈であった。全例で完全切除が可能であり、病理学的に癌遺残は認めなかった。手術時間は中央値468分で、術後合併症は1例で術後に胸骨離開のため再手術となり、他の1例で無気肺を認めた。在院死亡はなく、在院日数の中央値は29日であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016