発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339087
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手術前後に下肢静脈超音波検査(エコー)を導入後に、呼吸器外科で手術を行った123例(術式内訳は肺葉切除58例、気胸手術33例、肺部分切除9例、胸腺手術5例、縦隔腫瘍手術4例、その他6例)中、緊急手術、急性期再手術を行った11例を除く112例を対象に、手術前後にエコーを行った78例の静脈血栓塞栓症(VTE)発生頻度を調査した。術前エコーを行った54例でVTEは認めず、術後エコーを行った72例中4例に下肢VTEを認め、この4例は術前エコーでVTEを認めず、術中・術直後にVTEが形成されたと思われ、VTE発症率は5.6%(4/72)であった。呼吸器外科総手術123例に肺血栓塞栓症は認めなかった。下肢VTE形成を認めた4例は、全て肺葉切除+リンパ節郭清を行っており、当院作成の高リスクに分類され、予防策として間欠的空気圧迫が行われていた。4例中3例にwarfarin potassiumを使用し、1例は拒否したが、全例が2.5~5ヵ月で血栓は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016