発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017304637
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3ヵ月女児。哺乳不良、体重増加不良を主訴とした。出生後に心室中隔欠損症(VSD)と診断され経過観察中であり、全身麻酔下にVSD閉鎖手術を行った。術後1日目に上大静脈圧(SVCP)が18mmHgまで上昇し、血圧低下・頻脈・尿量減少を認めた。胸部X線像では肺静脈うっ血所見を認め、心エコー検査では心房中隔血腫と上大静脈圧排所見を認めた。カテコラミンを追加して保存的に経過観察を行い、SCVPは経時的に低下し脈拍・血圧・尿量も改善した。術後14日目の心エコー検査では血腫は完全に消失し、術後16日目に退院した。病因としてベントチューブを挿入していた卵円孔を直接閉鎖する際に心房中隔の栄養血管を損傷し、血腫が大動脈心房間隙から肺静脈側までに広がったためと考えられた。
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