発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006302206
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日齢12日男児.胸部X線,CT,心エコーによりVSD,動脈管開存,肺高血圧,左上大静脈遺残,右肺無形成,左気管支狭窄と診断され,生後22日に人工呼吸器管理となった.生後38日に第一期手術において胸骨正中切開にて肺動脈絞扼および動脈管離断術を行い,術後3日に人工呼吸器より離脱したが気道狭窄症状が強く再度人工呼吸器管理となった.広範囲の左気管支狭窄を認め,生後136日の心カテーテル検査で右側に著しく変位した心室を認めたが,大血管系は正中付近にあることを確認した.生後179日に第二期手術として心内修復術を施行した.正中切開開胸し上行大動脈送血,左上・下大静脈脱血にて体外循環を開始し心臓を左に脱転し,右上大静脈に脱血管を挿入し体外循環を確立した後,心停止とし経右房VSDパッチ閉鎖,肺動脈絞扼解除術を行った.術後循環動態は安定していたが人工呼吸器離脱はできず,術後29日に気管切開を行った.気管内肉芽形成による狭窄や肺炎を繰り返したがステロイド吸入や抗生物質による治療を行い1歳2ヵ月時に人工呼吸器より離脱し,1歳6ヵ月時に退院した.正中切開で初回手術時に大血管系が視認でき,2回目においても心停止下経右房において手術操作を行ったが,通常のVSD閉鎖術における視野と同様の視野が得られた
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