臨床経験
包括的呼吸リハビリテーションにより耐術可能となった高度低肺機能患者の手術経験
半田 良憲
1
,
原田 洋明
,
山下 芳典
1国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 呼吸器外科
キーワード:
運動負荷試験
,
呼吸機能検査
,
低換気
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
リンパ節郭清
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
呼吸理学療法
,
胸部CT
,
経気管支肺生検
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Exercise Test
,
Hypoventilation
,
Lung Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Pneumonectomy
,
Respiratory Function Tests
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
pp.850-853
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030711
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳男。石綿関連胸膜疾患に対する定期検査のCTで左肺舌区に最大径24mm大で内部に空洞を有する結節影を認め、経気管支肺生検で原発性肺癌と診断され当院紹介となった。肺活量は1840ml、1秒量790ml、予測残存1秒量は約700mlと考えられ耐術困難と判断したが、患者希望により包括的呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を約1ヵ月間施行し(計6回の外来直接指導と自宅でのリハビリテーション教育)、吸入気管支拡張薬を継続使用した。呼吸リハにより肺活量は2100ml、1秒量1040ml(予測残存1秒量920ml)に改善し、耐術可能と診断して胸腔鏡下左肺舌区切除術およびリンパ節郭清術(ND1b)を施行した。術後6ヵ月に肺機能の低下を認めたものの術前に予測した範囲内であり、著明なADLの低下も認めなかった。術後1年6ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015