投稿論文 短報
肺腫瘍マーキングによる動脈空気塞栓症例の麻酔経験
丸山 友紀
1
,
石田 高志
,
市野 隆
,
川真田 樹人
1信州大学 医学部麻酔蘇生学教室
キーワード:
空気塞栓症
,
全身麻酔
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
握力
,
頭蓋内塞栓症
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
けいれん性発作
,
Edaravone
,
Fosphenytoin
,
Concentrated Glycerin-Fructose
,
胸部CT
,
頭部CT
Keyword:
Anesthesia, General
,
Embolism, Air
,
Seizures
,
Lung Neoplasms
,
Edaravone
,
Pneumonectomy
,
Hand Strength
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Intracranial Embolism
,
Fosphenytoin
pp.789-793
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020387278
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症例1(55歳男性)、症例2(57歳女性)。両症例とも原発性肺癌に対し胸腔鏡下肺部分切除術が予定されていたが、フックワイヤーを用いたCTガイド下肺腫瘍マーキングにより動脈空気塞栓症(AAE)が生じた。症例1はAAEの症状を認めなかったが、神経脱落症状の有無を確認するため、いったん手術を中止した。麻酔覚醒後も明らかな神経脱落症状はなく、全身CTで異常所見を認めなかったため、3日後に手術を行った。症例2はマーキング直後に脳空気塞栓症に起因する意識消失、左前腕部の運動障害、左握力低下、痙攣を生じ、エダラボン、濃グリセリン・果糖注射液、ホスフェニトインを投与した。発症翌日には空気像の消失、2日後には神経脱落症状が改善し、4日後に手術が行われた。
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