感染性心内膜炎の外科治療
感染性心内膜炎に対する早期手術の有効性
佐藤 善之
1
,
佐戸川 弘之
,
高瀬 信弥
,
若松 大樹
,
黒澤 博之
,
瀬戸 夕輝
,
籠島 彰人
,
藤宮 剛
,
横山 斉
1福島県立医科大学 心臓血管外科
キーワード:
抗細菌剤
,
再手術
,
死亡
,
術後合併症
,
術中合併症
,
心内膜炎-感染性
,
脳梗塞
,
脳出血
,
後向き研究
,
治療成績
,
人工弁置換術
,
心臓弁形成術
,
胸骨切開術
,
Kaplan-Meier法
,
早期医療介入
,
治療までの期間
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Death
,
Endocarditis, Bacterial
,
Intraoperative Complications
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Reoperation
,
Treatment Outcome
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Brain Infarction
,
Intracranial Hemorrhages
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Sternotomy
,
Cardiac Valve Annuloplasty
,
Early Medical Intervention
,
Time-to-Treatment
pp.930-935
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019422
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2002年4月~2013年3月に経験した自己弁感染性心内膜炎(NVE)に対する開心術51例(男36例、女15例、平均年齢56±17歳)を、感染性心内膜炎(IE)確定診断後2週間以内に手術を行った早期手術群30例(ES群)と待機手術群21例(CS群)に分け、周術期および早期・遠隔手術成績を比較した。平均経過観察期間は61±46ヵ月であった。手術死亡は各群1例ずつ、遠隔期死亡はES群で非心臓死6例、CS群で心臓死1例・非心臓死2例を認めた。術後新規脳合併症として多発性脳梗塞2例と術前脳梗塞の出血性梗塞進展1例をES群に認めたが、術後感染性合併症や持続感染を認めなかった。5年・10年累積生存率はES群で79%・68%、CS群で89%・79%であり、5年・10年心臓死回避率は両群ともすべて100%であった。以上、感染性心内膜炎において内科的治療による予後不良群に対する積極的早期外科治療を行い、安定した早期・遠隔期成績が確認された。
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