発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009596
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84歳男。22年前に急性心筋梗塞に対して、大伏在静脈(SVG)を用いた左前下行枝(LAD)への冠動脈バイパス術(CABG)を施行された。術後10年経過した頃から軽労作で胸痛発作が出現するようになり、経皮的冠状動脈形成術を複数回施行されたが奏効せず、狭心症の再発を認めていた。今回、胸部圧迫感が出現し、ニトログリセリン舌下でも症状改善せず、当院に救急搬送された。心臓カテーテル検査でCABGの適応とされ、緊急手術となった。術前に冠状動脈造影を行ったところ、LADは近位部で完全閉塞しており、SVGは粥状硬化病変が高度であった。左内胸動脈(LITA)は使用可能と判断されたため、LITAを用いたオフポンプ手術を施行し、良好な結果が得られた。LITAは、超音波メスを用いることにより再手術であっても短時間で採取可能であることから、緊急手術であってもLITA-LADを第一選択にすべきと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015