発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008146462
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38歳女性。突然の胸痛を主訴とした。先天性心疾患や川崎病、膠原病、結合織疾患、梅毒の既往はなく、胸部外傷や薬物依存歴もなかった。発作時心電図にてII、III、aVF誘導にST低下を認めた。冠状動脈造影を施行したところ、右冠状動脈(RCA)#2に冠状動脈瘤を認め、瘤の近位部に90%狭窄を認めた。さらに、瘤の中央から比較的太い右室枝が起始しているのが確認された。胸部CTでは冠状動脈瘤全体が石灰化を呈していた。狭心発作が頻発し、薬物治療が無効で経皮的冠状動脈形成術による治療も困難との判断で、冠状動脈瘤切除+心拍動下冠状動脈バイパス術(OPCAB)(右内胸動脈-RCA)を行う方針となった。手術所見にて、冠状動脈瘤と右室心筋の癒着が高度であったため、動脈瘤の剥離を断念し、OPCABと右室枝転位法を施行した。術後経過は良好で、術後1週時の冠状動脈造影所見にも問題はみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008