発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009586
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Epic mitral生体弁(以下E)が国内承認された2011年から2014年7月までに当科で僧帽弁位生体弁置換術にEを使用した26例の術後成績と血行動態について検討した。結果、周術期死亡例として術後40日に低心拍出症候群で死亡したものが1例(3.8%)あったが、他の25例はいずれも独歩退院し、手術から退院までの在院日数は平均43.4±19.3日であった。遠隔期死亡例や再手術例はなく、術後合併症についても、脳神経学的合併症を含む血栓塞栓性合併症や重篤な出血性合併症はなく、また人工弁特有の合併症である弁機能不全や弁感染も認めなかった。Eの血行動態については、経胸壁心エコーを用いた測定で、退院時に[有効弁口面積(EOA)]が2.44±0.62cm2、[最大左房-左室圧較差(pMPG)]が15.8±5.3mmHg、[平均左房-左室圧較差(mMPG)]が7.2±2.4mmHgであり、直近の外来受診時にはEOAが2.25±0.64cm2、pMPGが17.3±5.7mmHg、mMPGが6.2±2.3mmHgであった。結論として、当科におけるEの術後早期成績は良好であり、血行動態も既報告と比べて大差ないものであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015