手術の工夫
内視鏡による術中評価を行った大動脈弁形成術
土井 一義
1
,
野口 亮
,
迎 洋輔
,
伊藤 学
,
末永 悦郎
,
古川 浩二郎
,
森田 茂樹
,
伊藤 翼
,
松本 徳昭
,
江崎 さおり
,
原 明美
,
恒松 あゆみ
1柳川病院 心臓血管外科
キーワード:
術中期
,
心エコー図
,
心機能検査
,
大動脈弁逸脱
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
大動脈瘤
,
内視鏡法
,
心臓弁形成術
,
大動脈置換術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aortic Valve Insufficiency
,
Aortic Valve Prolapse
,
Endoscopy
,
Echocardiography
,
Heart Function Tests
,
Intraoperative Period
,
Cardiac Valve Annuloplasty
pp.496-499
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015390519
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術中内視鏡で大動脈弁の評価を行い、大動脈弁形成術を施行し、術後5年以上経過した2例を報告した。症例1は52歳男性で、術前検査にて大動脈弁はrapheを有する右-無癒合冠尖(R-NCC)と左冠尖(LCC)の二尖弁で、癒合冠尖逸脱によるIII度の大動脈弁閉鎖不全(AR)であった。術中内視鏡では上記所見に加え、LCCの交連部での逸脱も同定され、形成手技を追加した。NYHA心機能分類は術前class IIIから術後は8年間class Iを維持し、大動脈基部の形態的変化もみられない。症例2は52歳男性で、術前検査にて大動脈弁は三尖で、RCCの逸脱によるIII度のARを認めた。RCC形成後の術中内視鏡にて無冠尖(NCC)の逸脱が明確となり、それぞれ形成手技を追加した。NYHA心機能分類は術前のclass IIから術後5年間class Iを維持しているが、術後I度以下であったARが術後1年目でII度へ増悪した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015