臨床と研究
肺癌組織のpHが臨床病理学的特性に及ぼす影響
澤田 貴裕
1
,
古川 克朗
,
井上 征雄
,
伊藤 重彦
,
永安 武
1北九州市立八幡病院 呼吸器外科
キーワード:
腫瘍進行度
,
水素イオン濃度
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
腫瘍量
,
胸部CT
Keyword:
Hydrogen-Ion Concentration
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasm Staging
,
Pneumonectomy
,
Tumor Burden
pp.491-494
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015390518
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当科で根治的肺葉切除術を施行した原発性肺癌20例を対象に、肺癌組織のpH値と臨床病理学的因子との関係を検討した。その結果、腫瘍pHと腫瘍サイズの関係では、腫瘍最大径が大きいものほど腫瘍pHが低くなる傾向がみられ、有意に負の相関が示された。病理学的進展度においては有意な相関関係はみられなかったものの、pStageが進んだものほど腫瘍pHは低い傾向が示された。腫瘍の存在部位については、肺葉末梢にいくにつれて、腫瘍pHが高くなる傾向がみられ、有意に正の相関関係がみられた。
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