大動脈基部置換術
自己弁温存 自己弁温存大動脈基部置換術における弁形成の有効性
松森 正術
1
,
宗像 宏
,
南 一司
,
岡田 健次
,
大北 裕
1神戸大学 呼吸循環器外科
キーワード:
再手術
,
生存率
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
治療成績
,
心臓弁形成術
,
大動脈置換術
,
大動脈弁輪拡張症
Keyword:
Aortic Valve Insufficiency
,
Reoperation
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Cardiac Valve Annuloplasty
pp.971-977
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358783
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大動脈基部拡張病変(Valsalva洞拡張)に対し自己弁温存大動脈基部置換術を施行した62例を対象に、大動脈弁形成術を追加した24例(A群)と追加しなかった38例(B群)の2群に分け中期成績を比較した。2群とも院内死亡例はなく、経過観察期間中、抗凝固療法なしで血栓塞栓合併症は認めなかった。心エコー上、A群の術前の大動脈弁閉鎖不全(AR)は3.0±0.9度、術後は0.9±0.5度まで改善し、B群は術前2.5±1.3度、術後0.5±0.6度まで改善した。ARの進行・溶血のため5例に再手術を要した。5年間の再手術回避率はA群85.1±8.2%、B群94.0±4.1%であり、5年生存率はA群100%、B群95.0±4.9%と良好であった。また、AR>mildの回避率においても、A群68.8±20.3%、B群94.6±3.7%と2群間に有意差を認めなかった。以上、自己弁温存大動脈基部置換術に弁形成術を追加しても中期成績は良好であると考えられた。
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