弁形成術の工夫と手術成績
先天性大動脈二尖弁に対する弁形成術
澤崎 優
1
,
泊 史朗
,
井澤 直人
1小牧市民病院 心臓血管外科弁膜症センター
キーワード:
大動脈弁
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
経食道心エコー図
,
心臓弁形成術
,
二尖大動脈弁
Keyword:
Aortic Valve
,
Aortic Valve Insufficiency
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Cardiac Valve Annuloplasty
pp.307-310
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219126
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先天性大動脈弁二尖弁による大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対し弁形成術を施行した8例(男7例、女1例、16~54歳)の成績を報告した。術式の基本は癒合した弁尖中央部の偽交連部の三角切除で、弁輪縫縮、sino-tubular(ST)junction縫縮、Gore-Texによる弁尖吊り上げを症例により追加した。8例中2例がAR残存のため再心停止下手術を行い、1例は人工弁置換としたが、術中経食道心エコーによる検討では両尖逸脱が原因で、弁中央部における接合の深さは6.2mmと浅かった。他の1例はGore-Texの結紮が解けていたため、吊り上げをやり直した。この症例を含め7例で形成を完遂でき、入院死亡や合併症は認めなかった。術後経過観察期間9ヵ月~14年9ヵ月で、中等度以上の逆流の再発はなく、再手術例もなかった。吊り上げ法で弁尖の自由縁の距離をST junctionの直径と同じにした症例では、ARは制御できたが軽度の狭窄を呈し、直径+1mmとした症例は狭窄を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012