発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015298905
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71歳女。65歳時に右尿管癌、67歳時に膀胱癌の既往歴があった。右尿管癌術後6年目の定期検査で左胸部異常陰影を指摘され当科紹介となった。胸部X線で左中肺野に境界不明瞭な結節陰影を認め、胸部CTでは左S6胸膜直下に長径14mmの結節陰影を認めた。FDG-PETでは左肺病変の部位に一致する集積像があり、気管支鏡では可視範囲に異常所見は認めず、擦過細胞診でも悪性所見はなかった。以上より、原発性肺癌または転移性肺腫瘍を疑い手術を施行した。左肺部分切除を行い、迅速病理検査では尿管癌の肺転移の診断であったが、術後の病理組織所見で肺原発扁平上皮癌が疑われ、免疫染色所見より最終的に肺原発淡明細胞型扁平上皮癌の診断となった。術後に左下葉の追加切除をすすめたが、本人が希望せず経過観察となった。術前上昇していたCYFRAとProGRPは、術後8ヵ月に基準範囲内に低下したが、術後18ヵ月に再上昇し、胸部CTで左肺切離線近傍に結節陰影を認め、現在局所再発が疑われている。
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