発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195258
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症例は47歳男性で、大動脈弁輪拡張症、閉鎖不全症を伴うStanford A型急性大動脈解離に対し基部~上行大動脈置換術を行ったが、術後50日目に発熱、胸痛が出現した。造影CTでグラフト周囲・基部に造影効果のある巨大腔を認め、感染による基部破綻を疑い、緊急手術を施行した。右冠状動脈入口部と肺動脈弁との間で右室前面切開を加えて良好な視野を確保し、破綻部位を確認した。弁輪支持組織として左-右冠尖交連部付近の弁輪は使用可能で、左-右交連部から右-無交連部の前面は右室内から心室中隔を貫いて縫合糸を通した。破壊された大動脈弁-僧帽弁間線維性連続部は、ウマ心膜を僧帽弁輪に縫着して新たな弁輪とし、左冠状動脈入口部直下付近は外側から左室心筋を貫き糸を通してSJM 23mm弁および径26mm人工血管を縫着した。左冠状動脈入口部はcarrel patch法で、右側は10mm人工血管の間置で再建した。術後経過良好で、57日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014