転移性肺腫瘍の外科治療
原発巣の腫瘍活動性からみた肺転移の手術適応
澤田 貴裕
1
,
町野 隆介
1愛媛県立中央病院 呼吸器外科
キーワード:
結腸腫瘍
,
甲状腺腫瘍
,
腎細胞癌
,
生存率
,
肉腫
,
肺腫瘍
,
腫瘍量
,
陽電子放射型断層撮影
,
Standardized Uptake Value
Keyword:
Carcinoma, Renal Cell
,
Colonic Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Sarcoma
,
Thyroid Neoplasms
,
Survival Rate
,
Tumor Burden
,
Positron-Emission Tomography
pp.298-301
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013219798
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肺転移を来した悪性腫瘍について原発巣の腫瘍最大径、腫瘍活動性の指標としてPETにおけるSUVmaxを用いて検討した。その結果、1)腫瘍活動性の指標と考えていたSUVmaxは腫瘍量も反映する傾向にあり、また原疾患ごとに腫瘍活動性の傾向があることが示された。2)症例数の最も多かった結腸癌由来の肺転移巣について手術適応の有無により2群に分け検討したところ、原発巣の段階では両群間の腫瘍量や腫瘍活動性に有意差はみられなかった。しかし、手術適応あり群では手術適応なし群と比べ原発巣治療が開始されてから肺転移巣が発現するまでの時間が有意に長く、有意に予後が良好であった。3)原発巣の腫瘍量や腫瘍活動性は予後予測において有用ではないものの、原発巣の時点で遠隔期転移や局所浸潤の起こりやすさを推測する何らかの因子をみつけることは予後予測を可能にし、手術適応の判定に関与すると考えられた。
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