発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042048
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52歳女。当院内科で左肺底動脈大動脈起始症と診断され、手術目的で当科に紹介された。術前のCT検査でV6が上肺静脈へ流入しているのが確認された。また、肺動脈はA6を分岐したあと途絶しており、肺底区には大動脈から分岐している異常血管が流入し、下肺静脈へ灌流していた。手術方法は、肺底区域切除術も選択の余地にあったが、以下の理由から左肺下葉切除術を施行し、良好な結果が得られた。1)先天奇形のため予測しえない異常がありうる。2)臓側胸膜の毛細血管の発達部位と異常動脈灌流域が一致しているとは限らず、肺底区切除術では異常動脈灌流域が残存するおそれがある。3)S6が小さくなっており、温存する意義に乏しい。
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