発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213773
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症例は79歳女性で、胸背部痛を主訴とした。心エコーで大動脈弁と僧帽弁に2度の逆流を認め、心駆出率は66%であった。造影CTでは壁在血栓を伴う胸部下行大動脈から上腸間膜動脈分岐レベルにまで及ぶ最大短径56mmの動脈瘤が認められた。瘤の中枢大動脈径は30mm、末梢径29mmであった。更に最大短径34mmの腎動脈以下の腹部大動脈瘤と右総腸骨動脈瘤が認められた。Crawford分類V型の胸腹部大動脈瘤に腹部大動脈瘤が合併症したものと診断し、Y型人工血管置換術および腹部分枝再建と胸部ステントグラフト内挿術を併用した、いわゆるハイブリッド手術を行った。術後経過は良好で、術後17日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011