臨床と研究
内視鏡手術トレーニングシミュレータを使用した学生教育
浦本 秀隆
1
,
近石 泰弘
,
永田 好香
,
下川 秀彦
,
田中 文啓
1産業医科大学 第二外科
キーワード:
質問紙法
,
教育評価
,
胸腔鏡法
,
医学大学教育
,
時間因子
,
実技演習
Keyword:
Education, Medical, Undergraduate
,
Educational Measurement
,
Surveys and Questionnaires
,
Thoracoscopy
,
Time Factors
pp.1047-1050
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042045
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産業医科大学の5年生370名に内視鏡手術シミュレータの指導(3種類のタスク)を実施し、各タスクの所要時間を調査するとともに、学生の感想をアンケート調査した。タスクの内訳は、「タスク1」が内視鏡用の剥離鉗子を用いて5mmの球形をみつけ、その位置(穴:外径25mm、内径20mm)で保持し、別の穴へ移動するというもの、「タスク2」が20×10mmの円筒をみつけ、その位置で保持し、別の場所へ移動して高さ28mmの棒(径6mm)へ挿入するというもの、「タスク3」が体内外科結びの訓練として金具の円形フックモデル(16mm)に正しく縫合糸を2回通すというものである。3種類とも各々2回(1週間の間隔を開けて)実施し、初回の平均所要時間と2回目の平均所要時間を比較した。結果、「タスク1」は初回が39秒、2回目28秒、「タスク2」は初回50秒、2回目39秒、「タスク3」は初回113秒、2回目89秒であり、3種類とも2回目は有意に短縮していた。学生アンケートの結果、「このような指導は良いと思うか?」という質問に対して「たいへん良い」と答えた割合が60%、「良い」が35%であり、「外科への興味が増したか?」の質問に対して「とても増した」と答えた割合が23%、「増した」が62%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014