胸部外科の指針
心臓・大血管手術後の胆道感染症および無石性胆嚢炎の臨床像
前川 慶之
1
,
阿部 修一
,
吉村 幸浩
,
内田 徹郎
,
金 哲樹
,
黒田 吉則
,
水本 雅弘
,
貞弘 光章
,
森兼 啓太
,
秦 広樹
,
藤田 知之
,
小林 順二郎
,
山澤 隆彦
,
種本 和雄
1山形大学
キーワード:
危険因子
,
胸大動脈
,
死亡率
,
術中合併症
,
心臓血管外科
,
大動脈疾患
,
輸血
,
ロジスティックモデル
,
後向き研究
,
術後感染症
,
胆嚢炎-無石
Keyword:
Aorta, Thoracic
,
Aortic Diseases
,
Blood Transfusion
,
Intraoperative Complications
,
Mortality
,
Risk Factors
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Retrospective Studies
,
Logistic Models
,
Acalculous Cholecystitis
pp.1039-1046
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042044
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2007~2011年に心臓・大血管手術を受けた586例のうち術後に胆道感染症(BTI)を発症した23例を"BTI群"、他の563例を対照群とし、諸データの比較検討を行った。比較項目は、患者背景として「年齢」「男/女比」「BMI」「体表面積」、術前因子として「併存疾患」「採血データ」「左室機能」「鼻腔保菌」、術中因子として「緊急手術か否か」「術式」「手術時間」「体外循環の有無」「体外循環時間」「心停止時間」「最低体温」、術後因子として「輸血量」を調査した。検討の結果、患者背景と術前因子に有意な群間差を認めた項目はなかった。術中因子では「術式」に有意差が認められ、BTI群で胸部大動脈手術例の割合が高かった。また、「最低体温」がBTI群で有意に低かった。術後因子の「輸血量」はBTI群が有意に多かった。有意差を認めた3項目についてロジスティック回帰モデルによる多変量解析を行った結果、心臓・大血管手術後BTI発症の独立したリスク因子として[胸部大動脈手術]と[大量輸血]が導出された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014