急性胆道炎-TG13:Updated Tokyo Guidelinesに基づいた診療の現況
急性胆管炎・胆嚢炎の成因と病態
木村 康利
1
,
平田 公一
,
高田 忠敬
,
急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン改訂出版委員会
1札幌医科大学 消化器・総合・乳腺・内分泌外科
キーワード:
医原病
,
死亡率
,
胆管炎
,
重症度指標
,
胆嚢炎-急性
,
胆嚢炎-無石
Keyword:
Cholangitis
,
Iatrogenic Disease
,
Mortality
,
Severity of Illness Index
,
Acalculous Cholecystitis
,
Cholecystitis, Acute
pp.1261-1267
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015341243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性胆管炎・胆嚢炎のおもな成因は結石である.結石に次ぐ急性胆管炎の成因は,良性・悪性胆道狭窄である.一方,急性胆嚢炎では結石を原因としない急性無石胆嚢炎もあり,手術,外傷,熱傷,経静脈栄養が危険因子である.近年の感染症治療において医療関連感染症は重要であり,急性胆管炎・胆嚢炎の診断・治療において,市中感染と大きく異なることを認知する必要がある.したがって,医療関連感染としての急性胆管炎・胆嚢炎は,市中感染と明確に区別したうえで診療する.急性胆管炎・胆嚢炎の死亡率は近年の報告により,それぞれ約10%,1%未満である.東京ガイドライン(TG07)の出版後は,診断基準と重症度診断基準が統一され,重症度に応じた症例の分布や,対象集団の臨床データの比較がより客観的となった.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.