胸部外科の指針
心臓血管外科術後感染管理におけるプロカルシトニンの有用性
前川 慶之
1
,
阿部 修一
,
吉村 幸浩
,
内田 徹郎
,
金 哲樹
,
黒田 吉則
,
水本 雅弘
,
貞弘 光章
,
森兼 啓太
,
本村 昇
,
柚木 靖弘
,
種本 和雄
1山形大学
キーワード:
生物学的マーカー
,
C-Reactive Protein
,
感度と特異度
,
手術創感染
,
心臓血管外科
,
尿路感染症
,
肺炎
,
後向き研究
,
敗血症
,
術後感染症
,
Procalcitonin
,
血液培養
Keyword:
Blood Culture
,
Calcitonin
,
C-Reactive Protein
,
Pneumonia
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Surgical Wound Infection
,
Retrospective Studies
,
Sensitivity and Specificity
,
Urinary Tract Infections
,
Biomarkers
,
Sepsis
pp.519-525
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367311
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心臓血管外科手術を行った連続150例について、診療録から後方視的に検討した。発熱や局所所見から感染を疑い、プロカルシトニン(PCT)を測定した患者は42例(延べ125回)であった。このうちCDCの医療関連感染の定義に従い、感染ありと診断された群は26例、感染を拒否された群は16例であった。血液培養はこれら42例中40例で評価可能な検体が採取された。感染群では肺炎が16例と最も多く、血流感染の合併を4例で認めた。両群間でバイオマーカーを比較したところ、感染群でCRPが有意に高値であった。血液培養が提出された40例中、陽性例4例と陰性例36例を比較したところ、陽性群でPCTが有意に高値であった。採取時のバイオマーカー間の相関関係についてみると、PCTとWBC間に相関関係はなく、PCTとCRP間に極めて弱い正の相関を認めた。心臓血管外科術後の管理において、PCT測定は血液培養陽性となるような重篤な感染症の診断および治療に有用であると考えられた。
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