胸部外科の指針
心臓血管外科手術後肺炎のリスク因子解析
前川 慶之
1
,
阿部 修一
,
中村 健
,
内田 徹郎
,
貞弘 光章
,
森兼 啓太
,
國吉 幸男
,
窪田 博
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児・先天性心臓血管外科
キーワード:
危険因子
,
血液透析
,
死亡率
,
術後合併症
,
心臓血管外科
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
肺炎
,
ロジスティックモデル
,
後向き研究
,
大動脈瘤-胸部
,
年齢因子
Keyword:
Age Factors
,
Heart Failure
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Pneumonia
,
Mortality
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Risk Factors
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Logistic Models
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
pp.731-738
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016323935
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当院で2007~2011年に心臓血管外科手術を受けた511例を対象とし、術後肺炎を発症した群(72例)と非肺炎群に分け、術前・術中・術後リスク因子の比較解析を行った。術前リスク因子の調査項目は「年齢」「性別」「併存疾患」「血液透析」「鼻腔保菌状況」など、術中リスク因子の調査項目は「緊急手術」「術式」「体外循環」「手術時間」など、術後リスク因子は「ICU在室日数」「経管栄養」などとした。単変量解析の結果、有意な群間差を認めた項目として「年齢」「併存疾患(鬱血性心不全)」「血液透析」「緊急手術」「術式(胸部大動脈瘤手術)」「体外循環」「手術時間」「ICU在室日数」「経管栄養」などがあった。これらを踏まえて肺炎発症を目的変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った結果、独立したリスク因子として「年齢(高齢)」「鬱血性心不全」「血液透析」「胸部大動脈瘤手術」が抽出された。両群間で在院死の割合を比較したところ、非肺炎群の4.3%に対し肺炎発症群は16.6%で有意に高かった。
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