術前術後管理
心臓手術後難治性胸水に対する胸腔・腹腔シャント
辻 麻衣子
1
,
山崎 武則
1愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院 心臓血管外科
キーワード:
留置カテーテル
,
胸水
,
胸部X線診断
,
術後合併症
,
僧帽弁形成術
,
メイズ手術
,
腹腔
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Postoperative Complications
,
Pleural Effusion
,
Radiography, Thoracic
,
Abdominal Cavity
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.1009-1012
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015008985
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症例は45歳男性で、25歳時に心雑音を指摘された。労作性息切れが出現し、僧帽弁閉鎖不全症、心房細動と診断され心不全加療のため入院した。アルコール性肝硬変と診断され、内科的治療が行われた。僧帽弁形成術(MVP)およびmaze手術を行った。僧帽弁は後尖腱索2本の断裂を伴うP3~C2の逸脱が認められた。P3の三角切除および人工弁輪縫着によるMVPを行った。退院8日後に左胸水貯留が再発し、労作時呼吸困難を伴い、外来通院で週1回頻度で、穿刺排液を行った。低蛋白血症、腎機能増悪が認められ、局所麻酔下に胸腔・腹腔シャントシステム造設術を行った。退院後、軽度の腹部膨満感を認めたが労作時の息切れは消失した。胸部X線で胸水は概ね良好に排液されていることを確認した。さらに、その後、局所麻酔下に胸腔・腹腔シャントシステム抜去術を行った。抜去後3ヵ月経過したが胸水再貯留は認めていない。
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