発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013257861
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64歳女。全身倦怠感、呼吸困難を主訴とした。C型肝硬変・肝細胞癌の既往があり、右肝性良性胸水による呼吸困難のため週1~2回3Lの穿刺吸引を繰り返していたが、最後の穿刺の4日後に呼吸困難が増悪した。単純X線とCTでは右胸腔に鏡面形成を認め、縦隔が左に偏位していたため大量胸水を伴う右緊張性気胸と診断した。ドレナージ術で中下葉が完全虚脱のままであり、胸水細胞診で悪性細胞は認めなかったため医原性気胸と診断したが、大量の気漏と胸水排液が持続したため第4病日に局所麻酔下に胸腔鏡術を施行した。中下葉はフィブリンにおおわれ再膨張が期待できなかったため、胸水を吸引後、上葉と横隔膜面にタルク噴霧を行った。術直後より気漏が消失したため術後第2病日に胸腔ドレーンを抜去し、その後数回の穿刺排液を要したが気胸の再発は認めず、第22病日に軽快退院した。
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