手術の工夫
単孔式完全胸腔鏡下肺葉切除
上吉原 光宏
1
,
井貝 仁
,
伊部 崇史
,
河谷 菜津子
,
清水 公裕
,
竹吉 泉
1前橋赤十字病院 呼吸器外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
リンパ節郭清
,
胸部CT
,
単孔式内視鏡手術
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Pneumonectomy
,
Thoracoscopy
pp.540-543
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367315
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84歳女。検診で胸部異常陰影を指摘された。CTで右肺S9に最大径1.8cmの境界明瞭で不整形の結節を認め、FDG-PETで軽度の異常集積を示した。原発性肺癌(cT1aN0M0、臨床病期IA期)を疑い、縮小手術なども提示したが、呼吸機能が正常であること、患者が標準術式を選択したこと、疼痛は最小限度にして欲しいとの要望があったことなどから、単孔式腹腔鏡下肺葉切除リンパ節郭清術を施行した。皮膚切開は3.5cmで、器具は従来の腹腔鏡用器具を使用し、特殊な器具は必要としなかったが、手技上の工夫を要した。手術時間は150分、出血量は30ml未満であった。病理診断はpT1aN0M0、病理病期IA期、完全切除であった。鎮痛薬は術当日にのみ投与し、その後は必要としなかった。術後1日目に歩行開始、5日目に退院し、術後6ヵ月の現在、再発は認めていない。
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