発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204295
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63歳女。12年前に大動脈炎症候群と診断され、amlodipine besilate、enalapril maleate、carvedilolを服用中であり、今回、下行大動脈の狭窄、血圧コントロール不良にて紹介受診された。入院時、血圧は右上肢140/85mmHg・左上肢151/81mmHg、右下肢117/72mmHg・左下肢105/70mmHg、ABIは右0.74・左0.70で、CTでは下行大動脈にびまん性に石灰化した内腔狭窄を認め、最小外径は13mmであった。上行大動脈は最大径40mmと拡大しており、後壁に石灰化を認めた。下腸間膜動脈分岐以降の腹部大動脈は石灰化がなく径は16mmあり、末梢吻合に適していた。大動脈炎症候群による下行大動脈の異型大動脈狭窄症に起因する内科的治療が困難な高血圧と診断し、体外循環を用いない上行大動脈-腹部大動脈バイパス術を施行した。術後血圧は正常化し、carvedilolのみで十分な降圧が得られるようになり、術後13日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014