発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130146
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75歳男.呼吸困難で救急搬送され,胸部X線で心胸郭比(CTR)53.7%で,右肺優位の肺うっ血像を認め,心電図所見で洞調律であり,I,II,III,aVf,V2~V6にてST-T低下を認めた.入院後も心原性ショックは改善されず,経胸壁および経食道心エコーを施行したところ,僧帽弁の収縮期前方偏位とそれに伴う前尖より後壁方向への逆流を認め,左室流出路での推定圧較差は29~43mmHgであった.閉塞性肥大型心筋症に伴う僧帽弁閉鎖不全が心原性ショックの原因と判断し,緊急僧帽弁置換術を施行した.僧帽弁は弁尖が肥厚し弁輪は32mmと拡大ししており,弁下には強い左室自由壁の求心性肥大を認めた.術後心カテーテル検査で心機能は良好で,経胸壁心エコーでは左室流出路推定圧較差は6mmHgに減少していた.病理組織所見は肥大型心筋症に一致するものであった
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