発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195260
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症例は22歳男性で、潰瘍性大腸炎のため加療中であったが、労作時の息切れが出現して僧帽弁閉鎖不全症(MR)と診断され、呼吸困難感が増悪した。開胸術を施行し、僧帽弁の弁輪径は著明に拡大し、前尖のA1には穿孔(2×1cm)と弁瘤形成を認めた。その外側にも約2~4mmの2ヶ所の穿孔がみられ、後尖のP2部の腱索は断裂していた。他の弁尖には感染の波及や疣贅を認めず、弁下組織の変化もなかった。感染性心内膜炎による弁尖の穿孔および瘤形成と考え、穿孔部分を含めて切除し、大きな一つの欠損孔として2.5×1.5cmの自己心膜片を縫合した。次いで後尖P2の逸脱部の弁尖を約15mmにわたって蝶形切除法で形成し、弁輪にはCarpentier-Edwards Physio II annuloplasty ring 32mmを縫合して縫縮を行った。術後経過良好で22日目に退院し、MRの再発や感染再燃はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014