弁形成術の工夫と手術成績
活動性感染性心内膜炎に対する僧帽弁形成術の成績
佐藤 弘隆
1
,
上西 祐一朗
,
高澤 一平
,
村岡 新
,
坂野 康人
,
相澤 啓
,
大木 伸一
,
齊藤 力
,
小西 宏明
,
川人 宏次
,
三澤 吉雄
1自治医科大学 心臓血管外科
キーワード:
Staphylococcus aureus
,
Streptococcus sanguis
,
Warfarin
,
抗細菌剤
,
術後管理
,
心内膜炎-感染性
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
ブドウ球菌感染症
,
グラム陽性細菌感染症
,
治療成績
,
僧帽弁形成術
,
Gemella morbillorum
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Endocarditis, Bacterial
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Postoperative Care
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Streptococcus sanguis
,
Warfarin
,
Gram-Positive Bacterial Infections
,
Treatment Outcome
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.297-300
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219124
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活動性感染性心内膜炎に起因した僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対し僧帽弁形成術を施行した11例(男5例、女6例、平均44.4歳)の成績を報告した。術中所見による病変部位は前尖3例、後尖5例、両尖3例で、弁切除縫合を9例に、ePTFEを用いた人工腱索再建術を前尖1例に行い、両尖の腱索断裂を伴う1例には自己心膜補填を行った。全例Cosgrove Edwards ringによる弁輪形成術を追加した。病変検体11例中5例で菌を同定し、他の6例も好中球の浸潤などが認められた。全例抗生物質を術後6週間投与し、抗凝固療法としてwarfarinを3ヵ月継続した。術前のNew York Heart Association分類はI度2例、II度6例、III度3例であったが、術後全例I度に改善し、心エコーによるMR評価はnone 4例、trivial 4例、軽度3例であった。手術死亡・在院死亡はなく、感染再発を含む弁関連合併症もなかった。術後観察期間平均3.1年で、遠隔期死亡や再手術例は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012