発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014188470
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症例は74歳女性で、左肺アスペルギルス症に対する薬物治療中であったが、発熱と咳嗽が持続するため、当科入院となった。既往歴として、左上葉扁平上皮癌に対する左上葉切除+術後放射線治療、CREST症候群に対するprednisolone内服があった。精査の結果、膿胸を合併した肺癌術後の残存肺アスペルギルス症と診断し、残存肺切除および醸膿膜切除・デブリドマンを行った。左膿腔頂部の膿からはEikenella corrodensが検出され、膿胸の起因菌と診断し、術後11日目までcefazolin、術後12~18日目まではceftazidimeを投与した。また、肺アスペルギルス症にはvoriconazoleを術後11日間投与した。術後は低栄養による創部治癒不全をきたしたが、栄養サポートチームが介入したところ、栄養状態の改善とともに創部は治癒し、感染性合併症もなく、術後78日目に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014