今月の表紙 臨床細菌検査
Eikenella corrodens
猪狩 淳
1
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
pp.1238-1239
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902258
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Eikenella corrodensはEikenella属に属する唯一の細菌である.微好気性のグラム陰性桿菌で,ヒトの口腔内や上気道粘膜に常在する.
血液寒天培地やチョコレート寒天培地に発育するが,普通寒天培地やマッコンキー寒天培地には発育しない.炭酸ガス培養によりよく発育し,通常2.5~10%CO2の環境下で,35~37℃,48時間培養する.集落は小さく(直径0.5~1mm),辺縁扁平,中央凸あるいはドーム状の特徴ある形をし,培地の表面にめり込むように発育するもの(pitting colony, corrode)とそうでないもの(nonpitting colony)が同時に認められる.菌苔は薄い黄色調を呈することが多く,次亜塩素酸塩系の漂白剤に似た独得の臭気を放つ.
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