発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014130614
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53歳男。検診でみつかった胸部異常陰影で受診した。胸部X線所見では、右下肺野内側に腫瘤を認めた。胸部CT所見では、右肺中葉末梢に脂肪主体のCT値-110KUの腫瘤を認めた。肺化膿症などの感染性疾患も否定できないと考えて抗菌薬による治療を行ったが1ヵ月後のCTでも腫瘍サイズ、性状ともに変化がなかったため診断・治療目的に手術を行った。胸腔鏡下にS5部分切除を行った。S5と壁側胸膜は癒着し、壁側胸膜から腫瘍部分にかけて多数の小血管を認めた。迅速診断にて悪性所見はなく、手術を終了した。病理所見では、周囲に被膜状組織を認め、腫瘤は成熟脂肪細胞により構成されていた。被膜組織に組織球、リンパ球様細胞浸潤があり末梢には脂肪壊死を認めた。核異型や脂肪芽細胞は認めなかった。術後4日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013