発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014130609
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
22歳男。右前胸部痛で受診し、胸部X線像で右肺野の腫瘤陰影を指摘された。発熱を伴い、WBC増多とCRP値の上昇を認めた。胸部CT所見で右胸壁腫瘍を疑った。胸部CT所見では、右腹外側胸壁より広基性に胸腔内に突出する最大径約5cm大の腫瘤影を認め、内部には小嚢胞状の低吸収域を多発して認めた。胸部MRI所見では、腫瘤内部にはT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を示す複数の液状部分の混在を認めた。悪性性胸壁腫瘍の臨床診断で手術を行った。病理組織所見などから、壁側胸膜に発生したEwing肉腫/PNET、いわゆるAskin腫瘍と診断した。Ewing肉腫に対するRosenのT16プロトコールに準じ、多剤併用化学療法を4コース施行した。胸壁への放射線療法を併用し、術後約10年1ヵ月経た現在、無再発で経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013