発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014065772
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左室瘤に対する左室形成術は1980年代以降、Dorらが考案した方法(残存する中隔梗塞部位と正常心筋の境界線にFontan stitchをおいて縫縮・パッチ閉鎖するendoventricular circular patch plasty)が施行されるようになった。今回、大動脈弁狭窄症を合併した左室瘤の1例に対し、パッチの縫着方法としてinverted graft insertion techniqueを用い、良好な結果が得られたので報告した。本techniqueには次のような利点がある。1)切除した心筋壁と人工血管が面と面の関係で接合するため吻合部の止血が得られやすい。2)人工血管挿入による閉鎖面の円形での形態保持性が高い。3)吻合視野が良好であるため、脆弱な心筋に対して深いbiteの連続縫合が容易に施行可能。4)人工血管の抗血栓性。
©Nankodo Co., Ltd., 2013