発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350513
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71歳男。検診の胸部X線像で異常を指摘され、CTで左S1+2に4.5cmの腫瘤影とS10に2.3cmの結節影および右気管前リンパ節腫大を認めた。気管支鏡検査で左S1+2腫瘤から扁平上皮癌、左S10結節からは確定診断が得られなかった。シスプラチン(CDDP)+ゲムシタビン(GEM)の投与で左S10の結節はやや増大したが、左S1+2の腫瘤と右気管前リンパ節は著明に縮小した。しかし、grade 3の腎機能障害と骨髄抑制のため、CDDPとGEMによる化学療法はゲフィチニブに変更し、左S10の結節も著明に縮小した。ゲフィチニブ投与1年4ヵ月後に左S10の結節が増大した。気管支鏡所見は、左B1+2から扁平上皮癌、左S10から腺扁平上皮癌の診断であった。左上大区域切除術、左S9+10区域切除術およびリンパ節郭清を行った。経過は良好で術後補助療法は行われなかったが術後8年の現在まで再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013