発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
86歳女。右胸部痛が出現し、4日後より呼吸困難、6日後に症状が増悪したため救急搬送された。画像所見より気管支原性嚢胞の圧排による気管狭窄で呼吸困難を呈していると診断し、ただちに気管内挿管され集中治療室(ICU)に入院となった。ICU入室後よりII度の房室(AV)ブロックが出現し、右内頸静脈より一時的ペーシングを挿入した。入院後2日目に準緊急で手術を行った。高齢であることから、症状緩和を最優先とした手術を行うこととした。病理組織所見は、気管支原性嚢胞の診断で悪性所見を認めなかった。手術室で抜管してICUに帰室した。術後3日目にCTで気管狭窄が解除されていることを確認した。また、術直後より徐脈も消失していたため、一時ペーシングも抜去した。嚢胞内容液の培養陰性を確認し、術後4日目に胸腔ドレーンを抜去した。リハビリテーションを行った後術後14日目に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013